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母校キリン骨格標本と動物園時代

 日本獣医生命科学大学附属博物館の石井学芸員から届いた朝日新聞の記事を読み、学生時代に何気なく眺めていたキリンの標本に個人的な縁を感じました。

 大学院卒業後すぐに茶臼山動物園の設立に関わり、そこでの経験は非常に印象深いものでした。特に、アミメキリンの出産に立ち会うという貴重な経験は、私のキャリアの一部として強く心に残っています。この時出産した母キリンは上野動物園生まれではありませんが、同じ東京都の多摩動物園生まれです。


キリンの生態と特徴

 キリンは胆嚢を持たない特異な動物です。また、ヤギと同じ反芻動物であり、食べたものを一度胃に送り、再び口に戻して噛み直すことで効率よく栄養を摂取します。最近私は、ヤギを診る機会が増えており、その反芻行動がキリンと共通していることに興味を持つ飼い主さんいるかもしれません。


外科と病理

 学部・大学院時代にお世話になった外科学教室では、「外科医の最良の教師は病理解剖である」と教わりました。この点でも、母校で病理解剖されたキリンと深い縁を感じます。動物園時代の獣医学的作業のおおくが、病理解剖だったことも懐かしい思い出です。

 下記写真は母校病理学教室が昨年学会発表したポスター(ヤクシカにおけるアルツハイマー病関連病変の病理組織学的検索)の一部です。この症例の材料提供を、させていただきました。このヤクシカのルーツは、やはりキリンと同じ多摩動物園です。

企画展「キリンが来た道〜麒麟児 長次郎の歩み〜」

 現在開催中の企画展「キリンが来た道〜麒麟児 長次郎の歩み〜」は、5月31日に終了予定でしたが、好評につき「世界キリンの日(World Giraffe Day)」である 6月21日まで会期が延長されました。ぜひこの機会に日本で唯一の獣医史学博物館である日本獣医生命科学大学付属博物館を訪れてみてください。

 

 日本獣医生命科学大学付属博物館は、東京都武蔵野市にある同大学の付属施設です。

- 2015年に学芸員課程の実習施設として開館した後、2017年より日本における獣医畜産学の歴史資料の収集・展示を目的とする博物館に転換しました。[1]

- 本館は同大学の一号棟(本館)内にあり、4つの展示室があります。[2][4]

- 展示内容は、獣医畜産学や同大学の歴史にかかわる資料、日本の野生動物の標本などです。[4]

- 2023年10月から2024年6月まで、第1回企画展「キリンが来た道〜麒麟児 長次郎の歩み〜」を開催しています。[5]

- この企画展は好評につき、会期を2024年6月21日まで延長しました。[5]

‐博物館は日本初の私立獣医学校として創立された同大学の歴史的意義を踏まえ、獣医畜産学の歴史資料を収集・展示する施設として機能しています。[1][4]

Citations:

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